『春・夏・秋・冬』
ふふっと小首を傾げて優しく笑う秋。


この控えめな女らしさがグッとくるんだよな。


思わず俺まで首を傾げそうになってると、斜めから冬の弱々しい声が聞こえてきた。


「夏、俺のは小さいけど効果抜群だよ」


どれどれと紙袋を開けるとキラキラ光るグリーンの石が入っていた。


「おー、今流行りのパワーストーンてやつか?これ何に効くわけ?」


「えーと、健康とか仕事とか恋愛とか、多分全体的に?寝ないで原石加工したんだ。何か願いを叶えてくれるかもしれないよ?」


「でーっ、お前が作ったの!?体調悪いのに寝ないでって、何かの恩返しみたいだな!それじゃがむしゃらに願わしてもらうよ。ありがとう!」


ニッコリ笑う青白い顔の冬とタイミングの合わないハイタッチをして、春と秋にも感謝の視線を送ると、また胸に僅かな痛みが訪れた。


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