『春・夏・秋・冬』
…俺が叶えたい願いって、なんなんだ?


仕事?任務が最優先だけど、成功した時点で俺は来年の春を待たずにこいつらとお別れだ。


恋愛はもともときつく禁止されてる。だからずっと自分の気持ちをコントロールしてきたし、これからもそのつもりだ。


「あーん、ちょっと気持ち悪くなってきちゃったぁ」


「春ったらまだ始まったばっかりじゃない。もう、とばし過ぎなのよー」


女らしい物腰で春の介抱を始める秋を、俺は無意識にじっと見つめてしまっていた。


「僕が春にもあげたあの石に悪酔い退散って願ってみたら?」


「そんなので願い事使うなんてもったいないじゃん!私はもっと別のがあるんだからっ。…うー、目が回るぅー」


なぁ冬、お前は何かを願ったのか?春か秋、どっちかへの想いを胸に秘めてるのか?


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