運命の一夜と愛の結晶〜裏切られた絶望がもたらす奇跡〜

　さくらが後部座席のチャイルドシートの横に座り、怜が助手席に乗るが何やら不満顔。

「怜どうした？」
「チャイルドシートがでかい……」

　陸斗は、一瞬何のことかわからずキョトンとしたが、後ろばかり見ている怜を見て理解した。さくらの隣に座りたかったのだと……。

　子供みたいだと笑いそうになる。いつも大人びていた怜に心配したが、今は駄々っ子のように見え、ある意味心配だ。

　車が到着したのは、店から十分程の距離にある高級ホテル。一部屋ずつプライベートプールが付いていて、沖縄でも一、二位を争うラグジュアリーなホテルだ。

　子連れで泊まるイメージはない。

「あの〜、桂を連れて泊まって迷惑じゃないですか？」
「確認したので大丈夫ですよ」

　そして案内されたのが、このホテルの中でも二部屋しかないスイートルームだ。

　広々としたリビングの全面ガラス張りの外には、プール広がる。さくらは、あまりの豪華さに腰が引ける。

　怜との一夜を過ごした日もスイートだったが、酔っていてハッキリは覚えていないのだ。