運命の一夜と愛の結晶〜裏切られた絶望がもたらす奇跡〜
 ソファでの行為は、風呂場に移されても続いた。怜の中では、寝室の桂が眠る横では、どこか後ろめたい気持ちになるのだ。

 何度イッても繰り返される。

「怜さん、もうダメッ」
「イイだろ?」
「アアッ」
「怜と呼べよ」
「レイッ」

 有言実行という言葉が当てはまるように、ニ年前の一夜のやり直しと言わんばかりに、二人は繫がり続けた。

 外が白み始める頃、怜の腕の中でぐったりのさくらは、やっと寝室のベッドに辿り着いた。

『冷酷王子』の体力は凄まじい。

 スヤスヤと眠る愛しの女性とわが子に囲まれ、怜も眠りにつく。

 もう、絶対離さない。

 誰にも邪魔させないと誓う。

 この日は、桂も一度も目を覚ますことなく、朝まで眠り続けた。

 
< 116 / 235 >

この作品をシェア

pagetop