憧れのCEOは一途女子を愛でる
意気込む辰巳さんから視線を逸らせて苦笑いを浮かべた。
今のところ結婚に興味がない人にお見合いをさせようとがんばっても、説き伏せるのはむずかしいのではないだろうか。
私も同じだから、お孫さんがどう思うのか気持ちが理解できてしまう。
「冴実ちゃんがうちの孫と結婚してくれたらいいのになぁ」
「え、私?!」
突然降って湧いた話に驚いて、思わず声がひっくり返った。今のは冗談に決まっているのに。
にこにこしている辰巳さんにつられて、私もアハハと乾いた笑みを浮かべた。
「おう、そうしろそうしろ。たっちゃんの孫は男前だぞ?」
「おじいちゃん!」
「冴実にはもったいないけどな」
どうやら祖父は実際に会ったことがあるようだ。だからなのか悪ノリをして好き放題言っている。
さすがに聞き流せなくて、辰巳さんには背を向けながら祖父に対して顔をしかめた。
祖父としては、どこの誰だかわからない男性よりも友人のお孫さんが相手だと安心できる、というだけなのだろうけれど、勝手に話を進められるのは困る。
「冴実ちゃんはうちの孫じゃ不満かい?」
「いえいえ、そうじゃなくて。私なんかとくっ付けられたらお孫さんが気の毒だから。そのうち趣味を通じて素敵な女性と知り合うかもしれないでしょう?」
お孫さんは趣味仲間がたくさんいるだろうから、その気になればお相手はいくらでも見つかるだろう。祖父曰く、顔もイケメンのようだし。
今のところ結婚に興味がない人にお見合いをさせようとがんばっても、説き伏せるのはむずかしいのではないだろうか。
私も同じだから、お孫さんがどう思うのか気持ちが理解できてしまう。
「冴実ちゃんがうちの孫と結婚してくれたらいいのになぁ」
「え、私?!」
突然降って湧いた話に驚いて、思わず声がひっくり返った。今のは冗談に決まっているのに。
にこにこしている辰巳さんにつられて、私もアハハと乾いた笑みを浮かべた。
「おう、そうしろそうしろ。たっちゃんの孫は男前だぞ?」
「おじいちゃん!」
「冴実にはもったいないけどな」
どうやら祖父は実際に会ったことがあるようだ。だからなのか悪ノリをして好き放題言っている。
さすがに聞き流せなくて、辰巳さんには背を向けながら祖父に対して顔をしかめた。
祖父としては、どこの誰だかわからない男性よりも友人のお孫さんが相手だと安心できる、というだけなのだろうけれど、勝手に話を進められるのは困る。
「冴実ちゃんはうちの孫じゃ不満かい?」
「いえいえ、そうじゃなくて。私なんかとくっ付けられたらお孫さんが気の毒だから。そのうち趣味を通じて素敵な女性と知り合うかもしれないでしょう?」
お孫さんは趣味仲間がたくさんいるだろうから、その気になればお相手はいくらでも見つかるだろう。祖父曰く、顔もイケメンのようだし。