恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
毎朝の仕事がひと通り終わり、時刻は八時四十五分。
出勤の支度が整いリビングに出ると、いつも私より早く出かけていくことが多い筧さんがまだリビングのソファーにかけていた。
仕事中なのか、タブレット端末を傍らに置き書類を手にしている。
「すみません、そろそろ私は仕事に向かいます」
すぐそばまで行ってそう告げた私に、筧さんは書類を置く。顔を上げて視線を合わせると、目の奥まで覗くようにじっと見つめられた。
「大丈夫なのか? 行けるのか?」
投げかけられた質問にどきりとする。一瞬視線が泳いだ。
「大丈夫です。すみません、ありがとうございます」
筧さんにはなにがあったか詳細は話していない。
あんなに泣いていたところを見たら、なにかあったことは一目瞭然。
私の行動範囲は、今は職場とここの往復だというのを筧さんは知っているから、会社でなにかがあったと簡単にわかる。