恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
「さぁ、気分転換でもしに行くか」
「え……?」
シートベルトを着けながら、筧さんはいきなりそんなことを言う。私の返事を聞く前にエンジンをかけ、車を発進させた。
慌てて自分のシートベルトを装着する。
「あの、すみませんでした。あんな……」
なにをどう言ったらいいのかわからず、それでも今さっきの出来事について話を切り出す。
まさか、筧さんが会社にまで行って、上司にあんなふうに言うなんて考えもしなかった。
とにかくその行動には驚いた。そして、宣言通り私を気遣い、守ってくれたことにぐっときてしまった。
でも、単純にうれしいという気持ちだけでいてはいけない気がしている。
これは私自身の問題なのだ。
もう子どもではなくいい大人なのだから、自分の身は自分で守ってあたり前。
それなのに、あんなふう に筧さんに問題を解決してもらうなんて……。しかも、私が急な退職をして出た不利益があれば、筧さんが補填するとまで言っていた。