恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
そうか、離婚前提といえ、夫婦となるのに名字で呼ぶなんておかしなこと。
私も彰人さん、と呼ばなくてはならないんだ。
でも、さっき会社で予告なく〝里穂子〟と呼ばれて、一気に鼓動が高鳴った。
それだけでも破壊力が半端ないのに、自分は平然と〝彰人さん〟と呼べるだろうか。しばらくはどうしても意識してしまうだろう。
でも、ドキッとするなんてダメなこと。彰人さんとは、離婚前提の契約結婚なのだから、万が一彼に特別な感情を抱いてしまったら、また悲しい思いをするのは自分だ。
彰人さんの運転する車は、いつの間にか高速道路へと入り加速していく。
そういえばさっき、気分転換なんて言っていたけれど、いったいどこに向かっているのだろう……?
「あの、どちらに向かっているのですか?」
「それは着いてからのお楽しみだ。どこに行くのかわからないほうが、ワクワクするだろ?」
そんなふう に言った彰人さんは微笑を浮かべ、真っす ぐに伸びる高速道路を走っていった。