恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
「大袈裟じゃないですよ。私にとって、最近は非現実的なことが多いですから」
ところで、ここはいったいどこなのだろう?
彰人さんはひとり車を降り、私のほうのドアへとやってくる。
ドアを開けてもらい、まだ寝起きでぼやぼやしている頭のまま車外に出た。
森林に包まれた駐車場。でも、コンクリートでしっかりと整備された広い駐車場だ。
平日だけれど、車が何台も停車している。
すぐ向こうには、外壁の白い、大きな洋館のような建物が見える。
ぼんやりと周囲を見渡していると、不意に左手を掴まれた。
触れられたことでどきりとしたのもつかの間、その手はあたり前のようにつながれる。指を交互に絡めて、まるで恋人のように手がつながれた。
突然のことで、寝起きの頭も一気に冴える。急激に頬が熱くなってきて、隠すように顔を俯けた。
「どうした」
そんな調子の私を知ってか知らずか、彰人さんは隠した顔を覗こうとしてくる。
「いえ、なんでもないです」
気づかれないようにと取り繕うものの、隠すのだって限界がある。
結局、私の紅潮しているであろう横顔を見た彰人さんは「恥ずかしいのか?」とどこかからかう口調で言ってくすりと笑った。