恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
「大丈夫ですか? お手伝いします!」
近付いてきた私に目を向けた女性は、「ごめんなさいね」と苦笑いを浮かべる。
彼女のうしろ に回り、車椅子のハンドルを両手に持って、引っかかっている段差を確認した。
「いきますね、よいしょ」
少し勢いをつけないとうまく上がれない微妙な段差だったけれど、車椅子は無事歩道に上がる。
女性は背後の私に振り返り、「ありがとうね、助かったわ」と笑顔を見せてくれた。
「いえ、突然すみませんでした」
女性が無事空港に向かって車椅子を進めていくのを見送り、彰人さんを待たせていたことを思い出して踵を返す。と、すぐそばまで彰人さんが来ていた。
「すみません、お待たせしました!」
「知り合いか?」
彰人さんは去っていく車椅子の女性を見ながら私に訊く。
「え……? あ、いえ。知らない方です」
そう答えると、彰人さんはわずかに目を見開いた。