恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
「緊張……するんですか?」
不思議に思って質問した私に、彰人さんは苦笑してみせる。
「俺だって人間だ。あたり前だろう」
「そうですが……私などの実家に行って両親に挨拶するのなんて、彰人さんが緊張するようなことではないと思ったので」
「なにを言ってるんだ。人生がかかってるんだぞ? 君をご両親から預かれるのか、大事な挨拶なんだから」
そんなふうに言われると、本当に私を想ってくれて愛のある結婚の許しを得に行くみたいだ。
勘違いしそうになる私に拍車をかけるように、彰人さんはつないだ手にギュッと力を込める。
触れ合う手から気持ちを悟られないように、「ぜんぜん、大丈夫ですよ!」と笑ってごまかした。
迷うことなく車は実家の前に到着する。停車すると運転手が後部座席のドアを開けてくれた。
トランクから出された手荷物を彰人さんが受け取る。実家に来るために用意してくれた手土産だ。