恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
「これで、心置きなく里穂子を妻として迎えられる」
その言葉に不覚にもどきりとしたものの、婚姻関係を結ぶとなるとうちの両親だけの許しだけでは成り立たないと気づく。
「あの、でも……彰人さんのご両親には?」
そう訊いてみると、彰人さんの表情から色が消える。気のせいかと思ったものの、やっぱりほんの数秒間無表情だった。
「前に話した、同行してもらいたいというパーティーに、きっと両親も顔を出すと思うんだ。そのときに、里穂子のことは紹介しようと思っている」
「そうなんですか」
彰人さんが発する空気から、なにか私にはわからない複雑な事情があるのだろうと察する。深く訊いてはいけない気がして、「わかりました」と話を終わらせた。
空港に向かうと思っていた車は、来た道から逸れて走行していく。
どこかに寄るのだろうかと思っているうち、車は白浜町の高台にあるホテルへと入っていった。
ちょうど、私が大学進学で上京する頃にできた会員制ホテル。
普通の人が泊まれるホテルではないと、当時地元でも話題になった。
ここも、筧地所グループが作った施設なの……?