恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


 そんなふうに言われて、また新たな胸の高鳴りが始まる。

 男性はみんな、面倒くさがるものなのかと勝手に思っていた。

 彰人さんは私の額に触れるだけのキスを落とし、再び腕の中に閉じ込めた。


「ゆっくりでいい。こうしてるだけでも十分幸せだから」


 優しさと思いやりのある言葉に、また目に涙が浮かぶ。


「ありがとう、ございます」


 愛のない関係なのに、こんなふうに大切に、甘く優しく扱われたら、嫌でも気持ちが揺れ動いてしまう。どんどん好きになってしまう。

 いつかは終わりを迎える関係だとわかっているのに、ダメだとわかっているのに……。

 私のほうからも広い背中に腕を回し、しっかりと抱きしめ返した。

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