恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
お義母様の言葉で、その場の空気に緊張が走る。
胸がぐっと圧迫されるような感覚を覚え、無意識に呼吸を止めていた。
張り詰めた空気を落ち着かせるように、お義父様が「まあまあ」と口を開いた。
「一生独身を貫くつもりかと思っていたが、よかった。ここまで拒否するのは、もしや女性に興味がないのかと心配したものだ」
お義父様は張り詰めた空気を気にもせず、冗談混じりに言って少し笑う。
「身を固めたほうが、仕事でもさらに成功する。人からの信頼も得られるだろう」
「はい、ありがとうございます。今後とも、ご指導ください」
お義父様の目が、私へと向く。アーモンド型の奥二重の瞳は、彰人さんが譲り受けたものと同じだ。
「里穂子さん、近々改めて食事でもしましょう」
「は、はい! どうぞ、よろしくお願いいたします」
彰人さんは、頭を下げたままの私に「行こう」と背に触れる。
「では、また改めて。失礼します」
彰人さんに連れられ、ご両親の前から離れていく。
怖くて確認はできなかったけれど、背中に鋭い視線が突き刺さっているような、そんな気がしていた。