恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


「出かける前からずっと、早く帰って、里穂子とふたりきりの時間を過ごしたいと思っていた」


 耳元で彰人さんの低く艶やかな声が聞こえる。

 落ち着かない鼓動はますます高まっていき、こんなに密着していたら彰人さんに聞こえてしまいそうだ。


「今日はそればかり考えていた。里穂子が綺麗で、落ち着かなかった」

「そんなこと……。そんなふうには、一切見えませんでしたよ? 来賓の方との挨拶も、対応も、完璧でした」

「あれでも、結構必死に取り繕っていたが? 里穂子がとなりについて歩いているだけで、幸せで何度もにやけそうになった」

「それは……よかったです。となりにいた甲斐があります」


 問題ない返答をしたはずなのに、彰人さんは私をゆっくりとベッドに倒し、なぜだか片手で頬を挟んでギュッと唇をつぶした。


「もしかして、まったく気づいてないのか?」

「ふぇ……?」


 唇がつぶれていて声が出せない。

 気づいてない、って……?

 訊くタイミングもなく、彰人さんは独り言のように「まぁ、いい」と言い、手を離した唇に口づけを落とした。

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