恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


「すごい……綺麗」

「今ちょうど見えている、ホテルのふもとにある広い屋根がライトアップされている辺り、ショッピングモールなんだ」

「あ、わかります。あの大きい」

「その辺りの開発を、数年前に我が社が手がけた。周辺のホテルと一緒にな」


 この素晴らしいネオンの中に、彰人さんが関わった場所がある。

 かつては閑散としていた街だったが、今では多くの旅行客が訪れ、一大観光スポットとなっていると聞いたことがある。

 どれだけすごいことかなんてわからないけれど、その偉大な影響力を前に自然と鳥肌が立っていた。


「すごい……」


 もう言葉が出てこなくて、窓の外に釘付けになることしかできない。

 となりにいる彰人さんがかすかに笑った気配がした。


「すみません、なんか感動がすごくて、うまく言葉が。でも、すごいです! やっぱりすごい方です」

「〝すごい〟の乱用だな」

「だって、本当のことだから!」


 語彙力のない私に呆れたような彰人さんだったけれど、「ありがとう」と言って腰に手を回してくる。

 改めて自分はとんでもない人のそばにいるのだと、眼下に広がる色鮮やかなきらめきを目にしながら思っていた。

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