恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


* * *


「里穂子ー? 起きてるの?」


 頭まで布団をかぶった状態でも、階段の下から母が呼ぶ声が聞こえる。

 返事を返さないでいると、すぐに自室のドアが開かれた。


「里穂子? ちょっと、大丈夫?」


 どこか焦ったような声を出して、母親が勢いよくかぶっていた布団をはぎ取った。


「ちょっ、なに?」


 急なことについ抗議の声をあげる。

 私の姿を見て、母はなぜか「よかった……」と呟いてベッドの淵に腰かけた。


「いや、一瞬不吉なことが頭を過ったのよ。布団の中で、自ら……とかさ」


 どうやら母は、私が反応しなかったことで、布団の中で自殺しているなんて不吉なことを想像したらしい。

 枕もとから見る母のうしろ姿がどこか寂しそうで、急に申し訳ない気持ちになった。

 この歳になって、結局両親に心配をかけることになってしまった。

 大学まで出してくれたのに、仕事まで辞めて、その上、結婚まで失敗して……。

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