恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


 私が横にいるにもかかわらず、まるでいないかのような会話が繰り広げられる。

 きっと、彼女がお義母様が気に入っているご令嬢で、彰人さんと一緒にしたいと思っている女性だというのはよくわかった。

 そして、彼女は私が彰人さんの妻だということはきっと知らされていない。お義母様が、彰人さんが結婚したと知らせていないのだろう。

 こんな扱いをされても、私はとなりで微笑んでいることしかできない。

 それでも、彰人さんのそばにいると決めた気持ちは大きく強靭で、決して揺らいだりはしない。

 なにが起こっても、お義母様に認めてもらえるように努力をすると決めたのだ。

 いつの間にかテーブルでお会計が行われ、お義母様と麗香さんが立ち上がる。

 ふたりが仲睦まじく並んで歩いていくうしろに慌ててついていく形でラウンジをあとにした。

 談笑しながら前を歩くふたりのうしろ姿は、本当の〝義母と嫁〟のように見える。

 いつか、私がそうなる日はくるのだろうか。そんなことを思いながらホテルのエントランスまで来た、そのときだった。

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