恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
あの日のことを思い出すと、やっぱり気持ちがずしんと落ちる。
湯島くんと別れること、自分の環境を変えることは不安で怖いとも思っていたけれど、精神衛生上この判断は間違っていなかったと今なら思える。
このまま我慢して過ごしていれば、私はいずれ心身ともにボロボロになっていたに違いない。
「それで、湯島くんは出ていくって。それなら、私が出て行くほうがいいんだろうなって思ったから、荷物まとめて、その夜のうちに……」
「里穂子ちゃんが出ていったの?」
「はい」
「で、湯島くんは? 里穂子ちゃんのこと探したりとか、しなかったわけ?」
私が出ていったことは、直後にメッセージを入れたから知っていた。だけど、探すどころか、返信すらこなかった。既読スルーだ。
「いえ、特にはなかったですね」
若菜さんは「信じらんない……」とぽつりとこぼし、サンドイッチを口に頬張る。
それを見て、私も倣ってサンドイッチにかじりついた。生クリームの優しい甘さとキウイフルーツの酸味がほどよく口の中でブレンドされる。