恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました


「退職の目途がつきそうなら、ここでの仕事も問題なさそうだな」

「はい」

「それなら、ひとつ頼みたいことがある」

「頼みたいこと、ですか?」


 キッチンに引っ込もうとした足を再び筧さんに向ける。

 筧さんも手に取っていたスプーンを下げた。


「再来週の週末になるが、親交のある企業の創業記念パーティーに招待されている」

「創業記念パーティー……」

「それに婚約者として同行してもらいたい」

「こっ、婚約者……ですか」


 さらりとすごい言葉が出てきて驚く。

 筧さんはなんてことなさそうに「ああ」と言って食事を再開させる。


「難しいことはなにもない。俺についてとなりに立っていてくれていればそれでいい。なにか難しいことをさせるつもりはない」


 要するに、お飾りの婚約者ということ……?

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