恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
厳重なセキュリティで湯島くんがマンション内には入ってこられないと頭ではわかっているものの、気持ちの焦りからかエレベーターの操作盤を無駄に連打していた。
三十七階に到着し、小走りで部屋へと向かう。
ずっと握りしめていたカードキーで玄関を開け、どたばたと中に入った。
帰宅しただけなのに息が上がっている。
心臓がドッドッと嫌な音を立てていて、落ち着くために大きく深呼吸をした。
「お帰り」
玄関先で呼吸を整えていたとき、奥から筧さんの声がしてすぐに姿が見えた。
まさかもう帰っているとは知らず、驚いて背筋が伸びる。
「もうお帰りだったのですか……」
「ああ、予定が変更になってな。帰宅時間が早まった」
「そうでしたか」
明らかにおかしな様子を見せてしまい、取り繕って「すぐに食事の準備をしますね」と中に入っていく。
「少し休んでからでもいい。勝手に早く帰宅したのはこっちだからな」
「いえ、大丈夫です。支度ができましたら、お呼びしますので」
お言葉に甘えることなく、すぐにキッチンに入り夕食の準備を始めた。