恋してはいけないエリート御曹司に、契約外の溺愛で抱き満たされました
金目鯛の煮つけと五目炊き込みご飯、茶碗蒸しに味噌汁を同時進行で作っていき、一時間もしないうちに食事の準備は整った。
ダイニングテーブルに料理を出し、筧さんの書斎の扉をノックする。
すぐに向こうから扉が開かれた。
「お待たせしました。食事の支度ができました」
「ありがとう。帰宅してすぐに悪いな」
「いえ」
筧さんが席につくのを見届け、「失礼します」と頭を下げてダイニングを離れる。
「すみません、少しの間、部屋に戻らせていただきます。なにかありましたらお呼びください」
今になって急に気持ちが不安定になり、そそくさと自室に引っ込む。
入ったドアを閉め、扉に背中を預けた。
心が、思った以上のダメージを受けている。
落ち着こうと深呼吸を繰り返しても、思い出しただけで心臓がバクバクと脈打つ。
気を紛らわそうとバッグからスマートフォンを取り出したものの、いつぶりかわからない湯島くんからのメッセージを受信しているのを見てしまった。