幼なじみ社長は私を姫と呼んで溺愛しています
「あっパパー!」

少し先に、待ち合わせしていた千紘の姿が見える。

央太に気づいた千紘は満面の笑みを浮かべた。

今日は千紘が沖縄へ出張に来ていて、那覇空港で待ち合わせて観光しようということになったのだ。

央太に合わせてしゃがんだ千紘は、真顔で央太を諭す。

「央太、抱きしめたいのは山々だが、まず姫が先だ。わかるな?」

央太は大きく頷く。

「姫、会いたかったよ」

そう言って手を広げて歩いて来た千紘が私をギューッと抱きしめる。

「ちょっ…空港だから!人見てるから!」

央太はその様子を見上げて声を上げて笑っている。

やっと順番が回って来た央太は千紘にギューッと包み込まれてご満悦。


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