世界くんのタカラモノ
そして俺がコトンと湯呑みをダイニングテーブルに置いたと同時に、梅子が子供部屋をのぞいてから椅子に腰掛けた。

俺はすぐに梅子の隣に座る。

「子供ら寝てた?」

「うん、二人とも爆睡。世界くん……今日は本当にありがとう、久しぶりに明菜ちゃんとゆっくりできて、また明日から仕事もママも頑張れそう」

梅子の笑顔に俺は今日1日の疲れがあっという間に吹っ飛んでいく。

「そんな頑張らなくてもいいよ。十分すぎるほど頑張ってくれてるから。またたまには俺、子供の面倒みるし、いつでもしんどくなるまえに気分転換してきて」

「世界くんこそ……たまには飲みに行ってもいいんだよ?」

「飲みにいく暇あったら梅子さんに噛みつきたいんで」

「あ……」

「あっ、て何だよ」

俺たちは顔を見合わせて笑った。そしてすぐに梅子が俺をじっと見つめる。

「世界くん、えっとね……」

「何?」

梅子が俺の頬に手を添えた。

「世界くんいつもありがとう。いつも恥ずかしくて……なかなか言えないけど……世界くんと宇宙と銀河がいて……すごく幸せで毎日が愛おしいの。全部世界くんのおかげだよ。大好き」

大きな黒い瞳を細めて幸せそうに笑う梅子に俺の鼓動は大きく跳ね上がった。大好きなのも幸せだと感じてるのもきっと俺の方が勝っている。

「俺も明日からまた頑張れそう」 

「え?」

キョトンとしている梅子を俺はすぐに抱き寄せた。 

「世界……くん?」

「梅子さんの笑顔ツボすぎて……心臓痛いし、動悸するし、すげぇ死にそうなくらい幸せな気持ちになるんすけど」

梅子が俺の背中にぎゅっと両手を回した。

「私もだよ。世界くんと結婚してから毎日幸せでこんな幸せでいつかバチ当たっちゃわないかなって」 

「いつも頑張ってる梅子さんにバチなんて当たる訳ないでしょ。それにそんなバチ当たる前に俺がバチ全部追い返してやりますから。なんも心配せずに俺の隣にいてくださいね」

「うん……ありがとう」

そのまま梅子が俺の胸元に顔を埋めた。
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