世界くんのタカラモノ

「ふふっ……世界くんっていい匂いだよね。今日はとくにお日様の匂いする」

「あー、汗臭くないすか?今日は宇宙と銀河連れて公園行ってひたすら外遊びしてたんで。てゆうかすかしたお殿様にも会ったし」

「あはは。そうなんだ、奇遇だね。で、公園でみんなで何してたの?砂遊び?」

俺は梅子から少し身体を離すと唇をキュッと引き上げた。

「虫取りっすね」

「えっ!そうなの?!」

「俺のバッタ取りの勇姿マジで見てたら惚れ直してましたよ、バッタ先生顔負けの瞬殺技でバッタ捕まえてはあっという間にに虫籠へ放りこんでいきますからね」

目を丸くしていた梅子が声を上げて笑った。

「全然知らなかった!ずっと世界くん虫苦手なのかと思ってたから」

(マジか……気づかれてた)

俺はワザと大袈裟に顎を持ち上げて鼻を鳴らした。

「俺のこと誰だと思ってんすか。逆にお殿様の方が虫取り久しぶりみたいでビビってたように見えましたしね」

梅子は何の疑いもなく子供達と同じキラキラした瞳で俺を見つめている。

(いいよな……幸せになる嘘なら……)

俺は小さく咳払いしながら、目の前で俺に笑いかけてくれる梅子を見つめ返す。

「そっかそっか、世界くんの勇姿見たかったな。子供達も喜んだね」

「そうすね、てゆうか確認ですけどバッタ捕まえた俺に惚れ直した?」

「うんっ、すっごくカッコいいっ」

(ダメだ、俺の奥さん可愛すぎんだろ)

梅子の至近距離での笑顔と甘い匂いに俺の心臓はもうかなりスピードをあげてきている。

「ねぇ、じゃあご褒美ちょうだい?」
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