世界くんのタカラモノ
俺は少し体を離すと、梅子の大きな瞳をじっと見つめた。

「……えと、じゃあ……世界くん目瞑って?」

「やだ」

「え、ちょっと……なんでよ、恥ずかしいじゃないっ」

「恥ずかしがって俺にキスする梅子さんもツボだから」

「もうー……」

俺は思わず口元が緩む。梅子がこう言うときは必ず俺の想うツボになる時だ。

頬を赤らめながら梅子が唇を俺に重ねるとすぐに唇を離した。

「足らない、もっと頂戴」

俺はそのまま梅子こ後頭部を支えながら深く何度も口づけていく。

「ンッ……ちょっ……待って……ダメ」

「俺お腹ぺこぺこだし、夜まで待てない。なるべく早く食べるから。ね?」

「でも子供達が……」

「だから一時間は起きないって。優しくするし、梅子さんは声ちょっとだけ我慢して?」

「……困ったわね……」

「俺のせいで困った顔するのも好き。ベッドいこ」

眉を下げている梅子の手を引くと、俺ははやる気持ちを押さえつけながら、子供部屋を覗いて子供達の寝顔を確認してから俺たちの寝室の扉を開けた。梅子を寝室に引き入れるとちゃんと扉に鍵をかけてから梅子をベッドにそっと寝かせる。

「……世界くん、あの」 

「どした?」

こうして梅子をベッドの上で見下ろすのは1か月ぶりだ。
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