極甘悪魔な御曹司の溺愛は揺るがない【財閥御曹司シリーズ伊達家編】
「ドタキャンするよりマシだ。それに急な話だったから、今年の正月に撮ったこのスナップ写真しか見せられなくてな。お前と琴葉は面差しが似てるからごまかせる」
 そう言って叔父が見せてくれたのは、姉が着物姿でおせちを食べている写真。少しピンぼけしていて、姉が着物を着ていなければ、家族でも姉か私か判別できないかもしれない。
 博之おじさんが私を見て目をキラキラさせたかと思ったら、伯父もスマホの写真を見て同調する。
「そうだな。この写真なら、愛音が行っても琴葉だと思うだろう」
「そうね。女の子は化粧でかなり変わるし、初対面の相手ならきっと大丈夫よ。今日だけ琴葉の代わりをしてくれるだけでもいいから、ね、愛音」
 伯母まで期待の眼差しを私に向けてきて、逃げ場がなくなった。
 三人の言葉が地味に私の胸にグサッとくる。
 冠婚葬祭で親族が集まると、いつも注目されるのは才女で、女優のように艶やかな容姿をした姉。おしゃれに興味がなく地味でパッとしない私は存在を忘れられていて、声をかけられることはあまりなかった。
 
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