スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
(どうしたいか?そんなの最初から決まっている)
……彼女を慈しみたい。思うがままに愛したい。
面と向かって好きだと伝えれば、恋人になってくれるだろうか。
しかし、一筋縄ではいかないのが光莉という女性の厄介なところだ。
「何度かそれっぽいことは言ったんだが、上手く伝わっている気がしない……」
久志の顔によほど苦労が滲み出ていたのか、明音がゲラゲラと笑いだす。
「タキの困り顔なんて珍しいな!」
「私だってこんなことは初めてだ」
久志はヤケになってちゃぶ台の上のビールを一気飲みした。
「いや、タキが嘆くのもわかる。こっちは本気で惚れてるのに、なぜかまともに取り合ってもらえないんだよな……」
明音が恨めしげに麻里を見つめた。
透をあやしていた麻里の肩がギクリと揺れ、気まずそう目が伏せられていく。結婚に至った経緯を詳しく聞いたことはないが、この夫婦にも似たようなすれ違いがあったのだろう。