スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
(斗真……?)
斗真からの着信は実に七年振りのことだった。未だに番号が変わっていないことにも、光莉の連絡先を消していないことにも動揺が走る。
「撮れたか?」
「すみません。今からです」
光莉は一旦斗真のことを意識の外から出し、ポスターに集中した。露希が一番美しく映るよう角度を調整し、何度もシャッターボタンを押す。
「せっかくなら、一緒に撮ろうか?」
「お願いしていいですか?」
瀧澤の言葉に甘え、ポスターの露希とツーショットを撮ってもらった。瀧澤兄妹による見事なコラボレーションだ。
すっかり映画を満喫した光莉は、スマホの中の写真を見てニンマリと笑みを浮かべた。
「良かったらこれから家に来ないか?比呂人さんのアトリエから君のお祖父さんの椅子を取りに行って来たんだ」
「本当ですか!?」
「ああ、すっかり遅くなってすまなかった」
瀧澤の仕事の都合と、比呂人がイタリアに行くためアトリエを留守にしていたこともあり、祖父の椅子の引き取りは長らく保留になっていた。
マンションのサービスルームに保管してあるとのことだったので、早速マンションまで引き取りに行くことにする。
厳重に包まれている梱包材を剥ぎ取ると、見違えるほど綺麗になった祖父の椅子がお目見えした。