スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~

 次に瀧澤とプライベートで会ったのは二週間後のことだった。
 十月に入り、屋外でやるにはベストシーズンということもあり、久々に槙島家のテニスコートを借りた。

「あれだけ通い詰めていたのに、すごく久し振りな気がしますね!」
「実際、二か月ぶりだからな」
「そうですね」
 
 前回槙島家にやって来たのはテニスコンペに向けての練習の時だった。
 
(よかった。普通に会話できてる)

 一緒に映画を見に行った前回、気まずい形で別れてしまったので、どうなることかと内心ビクビクしていた。
 二人は休憩を挟みつつ二時間ほど、テニスに興じた。
 瀧澤は格段に上手くなり、最近ではバックスピンを覚えるまでに成長していた。光莉を手こずらせることもしばしばだった。

「今、再戦したら安西ご夫妻にも勝てるかもしれませんね」
「新しいサインを考える必要があるな」
「今度こそ『ショコラ』を入れましょう!」
「……ダメだ」
 
 光莉のごり押しに屈するほど、瀧澤は甘くなかった。

 二人は着替えのためにそれぞれのゲストルームに戻った。
 シャワーを浴び終わりタオルで髪を拭きながらスマホを眺めていると、ちょうど着信があった。
 ……相手は斗真だった。
 無視しようかとも思ったが、二度目の着信ともいうこともあり、渋々電話を取ることにした。

『光莉、お願いだ。助けてくれ!』

 開口一番、穏やかではない雰囲気に吞まれていく。切羽詰まった斗真の声には苦境に立たされ後がない身の内が滲み出ていた。

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