スパダリ御曹司のお相手が、私でいいのでしょうか?~一晩だけのはずが溺愛が終わりません~
「ミスを取り返すべく、ベストを尽くした。それでいいじゃないか。大事なのは同じことを繰り返さないようにすることだろう?違うか?」
「はい……」
聞き分けよくそう答えると、ヨシヨシと頭を撫でられた。
「仮眠したら私達も帰ろう」
瀧澤は太陽に向かって大きく伸びをした。
塗料で汚れていようが、埃を被っていようと瀧澤の魅力は衰えることがなかった。
……とまっていた時計の針がカチリと動きだす。
その瞬間、ぶわあっと身体に熱いものが込み上げてくる。
(どうして、この人を好きにならないと思っていたんだろう……)
セフレにすぎないという現実を思い知り、チクンと痛んだ心の正体、その輪郭がくっきりと浮かびあがる。
(瀧澤専務のことが好き――……)
そちらはダメだと理性が叫んでも、心は正直に茨の道を突き進んでいく。光莉はあっという間に坂の上から転がり落ち、恋の沼に落とされた。