麻衣ロード、そのイカレた軌跡⑦/危険色の進路決す!
危険色の針路/その2
夏美


相模浦南病院に着くと、3階のロビーには車いすに乗った荒子がいた

その後ろには鷹美も…

たぶん、鷹美が車いすを押して病室からここまで荒子を連れてきたのだろう

その光景を想像しただけで、私は胸が熱くなったよ


...



「荒子…」

「相川先輩、この度は私の不注意で南玉連合に大変な迷惑をかけてしまいました。先輩にも何と言ってお詫びしたらいいのか…」

「いいのよ。私こそ、まさかあなたが拉致されるなんて、想像もしていなかった。今まで策士だとかっておだてられてきたけど、所詮、本郷の策を読めきれていなかった。あなたが監禁されて骨を折られたのは、私が甘かったせいだわ。ごめんなさいね…」

既に私の目は潤んでいた

「いえ、私がふん捕まっていた間、先輩は鷹美やあっこたちと、崩壊の危機に晒された南玉を必死で守り抜いてくれたんです。ありがとうございます。…先輩には新しく生まれ変わる南玉の為に、いろいろと知恵を授かりたいんです…」

「わかったわ。私で役に立つことなら、喜んで最後までやらせてもらうから…」

「では、今日はこの3人で…」

ケイコが言った通りだ!

荒子は左足にギブスをはめているが、痛々しさなど微塵も感じさせなかったわよ

むしろ戦果の勲章にも見えるって

目だってガンガンに光ってるし

頼もしい限りだよ、赤い狂犬は…


...


私たち3人は、3階のロビー窓際の一番奥に掛けた

他にも2組ほど面会で談笑していたが、照明は明るくて結構広いので、落ち着いて話ができそうな感じだった

「…一昨日の夜、川原で本郷と戦った後のケイちゃんと話をしました。新生南玉連合は、どうあるべきかと…。正直、南玉連合は解体的出直しの必要がある…。まずはそこが前提になりました。先輩…、鷹美にはあらかた話を済ませてあるんですが、まずは南玉の組織系統を二つに分けようかと思っています…」

いきなりだった…

南玉連合内部を大きく二つに組織分けする…

果たしてその意義と目的って何なのだろうか




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