侯爵閣下。私たちの白い結婚には妥協や歩み寄りはいっさいないのですね。それでしたら、あなた同様私も好きなようにさせていただきます
 王立公園には、いつもだいたい同じ時間に行く。それは他の多くの来園者も同様である。その為、同じ時間帯に顔を合せる人たちと挨拶をしあったり犬談義や雑談をするようになった。

 そして、そういう人たちとは別に貴族など上流階級の人たちにマッサージを行ったり健康管理の相談にのっているという、ノーマン・グリーンウッドと親しくなった。ノーマンは、伯爵子息だという。

 グリーンウッド伯爵の名は、きいたことがある。伯爵に子息が何人いるのかまでは知らないけれど。

 彼は、わたしの自己流のジョギングの仕方について様々な指摘やアドバイスをしてくれた。それが始まりだった。そして、ちゃんとした走り方や体のケアについて適切なアドバイスをしてくれ、公園のベンチでマッサージをしてくれた。

 だけど、アールは初対面のときからノーマンのことが気に入らないみたい。そして、ノーマンもまた犬が苦手である。だから、ノーマンとすごすときにはアールには悪いけれど近くの木やベンチにリードをくくり付けなければならない。

 それがアールにとってもわたしにとってもストレスになってしまう。

 
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