チカ先輩のお気に入り。
「……っ、な」
昨日と同じ。
一年の廊下で、壁に寄りかかっているチカ先輩の姿が目に入って。
きっと、待っている相手は私。
……っ、ああ、もう、なんで……。
どうしよう、と思った時チカ先輩の視線が私に向いて。
…っ、やばい。
私はチカ先輩がいる方向とは逆方向に走り出した。
こっちは玄関じゃないのに……っ!!
「……っ、雪桜、」
後ろからかすかに聞こえた私の名前を呼ぶ声。
その声に、心臓が激しく動いて。
ギューッと胸が苦しくなる。
そのまま走りながら近くにあった階段を登る。
……っ、やだ、やだ。目の前が、ぼやけてくる……っ。
じんわりとぼやけはじめて、涙が溜まっているのを察する。
後ろからは同じように階段を走って登る音が聞こえて。
……っ、嘘、近い……っ。
「……っ待って雪桜ちゃん……!」
「…っ、お、ねがい……今は、来ないで……っ」
「雪桜……っ!」