チカ先輩のお気に入り。
知り合いだってことは分かっていたことだけど、いざとなってチカ先輩の反応を見るとまた泣きたくなる。
「それで……その人にいろいろ言われちゃって」
「……」
「……ごめん、なさい。私……そこまで、強くないみたいです」
また涙が滲む。
それを誤魔化すように笑ってそう言うと、チカ先輩は辛そうな顔をして。
……この人は、女の人のことをきっと話したくないんだろうなあ。
それは薄々気づいてた。だから私は今まで触れてこなかった。
「……」
「……今は、一人にしてください」
ずっと無言で苦しそうな辛そうな動揺したような顔でいるチカ先輩。
これ以上ここにいるとまた泣いてしまいそうで。
私はチカ先輩に背を向けて階段を降りる。
後ろから着いてくる足音は聞こえず、追いかけてくることはなかった。
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「雪桜、今日も一人?」