偶然?必然?運命です!

私と目が合うと、女のコはスッと視線を逸らす。


私とは正反対の黒髪ショートカット。


ツリ目で、少々やんちゃな感じの女のコだ。


うーん……今の感じから敵認定された感が半端ないけど……


まっ、いいか!!


それよりも



「よし、もういいか。じゃあ月城の席は」



うんうん。



「岸井の隣が空いてるな」



キャーーーーッ!!



うぇっへっへっへっへっ。


ツイてる!!


ツイてるわ、私!!


ほくそ笑む。


皆にバレないように。


バレたら、必然的に私が岸井くんを好きなことがバレてしまう。


それは困る。



「えー?俺の隣でしょう!?」



とか言ってくる男子にはニッコリ笑顔でスルーして、早くなりそうになる足を殊更ゆっくりに進める。


岸井くんの席はドア側の一番後ろの特等席。


二重でラッキー!!



ドキドキドキドキ!!


しっ、静まれ、我が心臓。


震えるな、我が手。



いつの間にか岸井くんが起きてこっちを見てる。



「よっ、よろしくね。岸井くん」



嬉しくて満面の笑顔で言うも……



吃っちゃった!!


う”ーーっ!!



トホホ……と椅子に座ってリュックを下ろしていると



「ここまでくれば凄ぇわ。まぁよろしく、お隣さん」



そう言って、フッと笑う岸井くん。



「〜〜っっ!!」



笑顔!!



「「「「!!??」」」」



何故かクラスメイト達もビックリしたように息を飲み、あの私を睨むように見つめてきた女のコも、あんぐりと口を開けていた。


あ……顎外れちゃうよ!?
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