偶然?必然?運命です!
「このソファー……」
「ああ、俺が初めてここに来た時にはもうあったな」
質問する前に答えが返ってきた。
そっか。
きっと用途は同じ。
誰かが景色を見て寛ぐために置いたんだろうな。
「いただきまーすっ」
勝手に結論付けて、おにぎりを頬張る。
ん〜、美味しい!!
青い空に素晴らしい景色、そして岸井くん。
最高だ。
「なぁ……って、早いな!!」
「??」
二つ目のおにぎりに取り掛かっていたら驚かれた。
「その体のどこにそんなに入るんだ?」
そして不思議そうに見られる。
「それ、よく聞かれるんだけど」
そっ、そんなに私、食べてるの?
これぐらい普通じゃないの?
「悪い悪い。気にするな」
笑ってプリンを食べだす岸井くん。
なんだったんだろう?
まっ、いいか。
私も食べるのを再開するも
「俺には近づかないほうがいいぜ」
「んぐ??」
突然そんなことを言われた。
俺には近づかないほうがいい?
なにそれ……。
「俺と仲良くしてる奴、仲良くなりたいって言う奴は……なんでだか良くないことばかり続くんだ」
「良くないこと?」
「ああ。大きな怪我……とかはまだないんだけどな」
せっかくのプリンを難しい顔で突いてる。
「その人達は?」
「離れていった」
「……」
岸井くんと居ると良くないことが起こって、人が離れていくと?
「だから」
「嫌だよ」
「は?」
何言ってんだコイツって目で見られる。
心外だ。
ヌンッ。
私は最後の一口を口に入れしっかりと咀嚼する。
良くないことが起こるから近づくな?
初恋を舐めないでほしいものだ。