偶然?必然?運命です!
そしてパンの袋を開ける。



コイツ、まだ食べるのか?って顔で見られるけれど、食べますよ?



でも力いっぱいに開けたもんだからパンが飛び出た。



「ぬぁっ!?」



私のパン!!



「バカッ」



ポーンッと飛んだパンを二人で空中キャッチ!!



「「……」」



ほら、ね。


優しいんだ。


そんな人を諦める?


冗談じゃない。



「私は体は頑丈だし、心に至っては踏まれても踏まれても生えてくる雑草の如き強さだと両親には言われてます」


「どんな親だよ」


呆れる岸井くんに私は笑う。


傍から見たらどうも変な親なんだけどね、私は大好きなんだよ。


璃遠という可愛い可愛い妹も生んでくれたし。



「だから、離れてなんかいかない。私は岸井くんと絶対に友達になる」



昨日、助けてくれた時から。


今日、また出会えた時から。



決めていたのだ。


友達に……あわよくばここここここ恋人にっ。



ぬふふふふふふふっ。



「変な奴だな」


「よく言われます」



本当に。



「勝手にしろ」


「うん!!」



それは側に居て良いってことだよね。


私は勢い良く頷いた。


ホラ、とパンが渡され、それに齧り付いていると



「何かあったら言えよ」



小さな声でそう言われ、横にプリンが置かれる。


お?お?



「やるよ」



お礼……かな?


でも……



「私が買ったんだけどね」


「……あ」



しまったって顔をする岸井くん。



可愛い!!



「返せ」


「もう貰ったから無理です〜」



わーわー言い合いながらの好きな人との初めてのお昼ご飯はとても楽しくて美味しかった。



「「ごちそうさまでした」」













ギリ……ッ
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