偶然?必然?運命です!
「もうすぐあの子の16歳の誕生ね」


「ああ」


「何事も無ければ良いのだけど……」


「これまで大丈夫だったんだ。きっと大」


「でも昨日のこともあるし、それに」


「……」


「ただいまーっ」


「「っっ」」


「……」


「およ?何、皆揃ってどうしたの?」



真っ先にリビングへ行くと、父と母、それに璃遠まで居た。



「おっ、おかえり〜」


「おかえり、玖遠」


「……あー」


「うん?なんか暗くない?」



なんかリビングの空気が重い。



私の心とは正反対に。



「そっ、そんなことないぞ!?パパは休憩中だ」


「そっ、そう。パパの休憩にママと璃遠も付き合ってるの。ねー璃遠」


「……あー」


「……」



怪しい。



何か……何



「璃遠?」


「あだっあだっあだっ」



私の体を登ってこようとする璃遠を抱き上げる。



「どうしたの?」



そんな不安そうな顔をして。



「父?母?」



何を話していたの?



璃遠はまだ赤ちゃんだけど、話しをきちんと理解できるスーパーベビーだ。


そんな璃遠がこんなに不安そうにしてるなんて


「何もっ」


「そう、何も。普通に世間話しをしていただけよ?それより、初登校はどうだった?」



母が聞いてくる。



誤魔化された?



学校……



「楽しくなりそう!!好……友達も出来たし!!」



危ない危ない。



好きな人が出来たって言うところだった。



親には……なんとなく恥ずかしくて言えない。



璃遠には言えるけど。



「そう。それなら良かった」



嬉しそうに母が笑う。


いつもの母だった。



本当に、世間話しだったのかな……?



「着替えてくるね」



璃遠を抱き上げたまま、部屋へに向かう。



「「……」」
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