結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
私たちは私たち自身が気づいていないだけで、周囲にバレバレな行動を取っているのか?

「あーっ!」

奇声を発し、その場にしゃがみ込む。
いったい、どれだけの人が私たちが少なくとも付き合っていると気づいているんだろう?
いや、彼らの口ぶりからして、矢崎くんの片想いと思われている……?

「まっ、いいや!」

いきなり私が立ち上がり、通りかかった人が驚いて身体を震わせる。
別にどんな憶測をされようと、私たちが結婚している事実は変わらないわけで。
……そしてきっと、そのうちこの噂は矢崎くんがフラれたというので終わるのだろう。
そう考えて泣きたくなったが、気づかないフリをした。

初日は小さなトラブルのみで終了した。
残り二日もこの調子でいきたいと願ったものの……。



二日目も特段大きなトラブルもなく、終わった。

「……あと一日……」

「頑張れ」

ぐったりと疲れてお弁当を食べている私を、矢崎くんが励ましてくれる。
今日はさすがに彼も帰って準備する気力もないし、外食するよりも早く帰ってゆっくりしたかったので、お弁当を買って帰った。

「お疲れの純華にいいお知らせ」

「……なに?」

聞きながらつるんとうどんを啜る。
食べる気力がないときのうどん弁当は最高だ。

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