結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
もし、変わらなかったとしても、矢崎くんを恨まない。
それに、こうやって会長に問題提起してくれただけで感謝したいくらいだ。
今、変わらなくても、きっと未来には変わると信じたい。
それに。
「どうした?」
私の視線に気づいたのか、僅かに矢崎くんが首を傾ける。
「ううん、なんでもない」
それに、笑って誤魔化した。
矢崎くんが社長になったら、絶対に変えてくれる。
でも、それを見られないのが残念だけれど。
イベント三日目。
最後まで何事もなく終わりますように、なんて私の願いは虚しく終わった。
早めに会場入りし、確認をしている私の携帯が鳴る。
相手は、加古川さんからだと表示されていた。
「はい」
『おはようございます、瑞木係長。
加古川です』
「はい、おはようございます」
『すみません、子供の調子が悪くて、今日はお休みさせてもらえないでしょうか』
そうならなければいいという予感は的中するものだな、とつくづく思う。
「他に面倒見てくれる人はいないんですか?
旦那さんは?」
『主人は今日、あいにく仕事で。
母も遠方へ行っているものですから』
「そう、わかりました。
お大事になさってください」
電話を切ると同時に大きなため息が落ちる。
薄々、こんな予感がしていた。