結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
仕事に余裕ができた私とは反対に、矢崎くんは例の雑貨店との契約が大詰めで大忙しだ。
家に帰ってからも遅くまで、仕事をしている。
そんな状態なので、家事負担も当然変わるわけで。

「ごめんなー。
このところ毎日、純華に朝食作らせて」

食卓に着いた矢崎くんは、申し訳なさそうに朝食を食べている。

「いいって。
それに今までずっと、矢崎くんに作ってもらってたし」

「ううっ、俺が純華のお世話したいのに……」

そうなのだ、矢崎くんは私のお世話をなんでもしたがって、いくら言っても家事を一切、やらせてくれなかった。

「私だって矢崎くんのお世話がしたいって言ったでしょ?
だから全然いいよ」

今の私はやりがいのようなものを感じていた。
私が、矢崎くんを支えている。
そんな、満足感。
彼がやたらと私のお世話をしたがる気持ちがわかった。

「それにさ、やることほとんどないし」

苦笑いを彼に向ける。
新居に移ってからも、矢崎くんは家政婦さんを雇っていた。
家事のほとんどを家政婦さんがやってくれているので、私がやることはほとんどない。

「今日の朝ごはんだって、お味噌汁作って塩鯖焼いただけだよ」

もはやこれは作ったといえるのかも疑わしい。
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