結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
紘希はまとまらない考えをどうにかするように、髪を掻き回していた。
「それってあれだろ?
アイツが取引先の人間に無理難題ばっかり押しつけて、追い詰められて狂った取引先の人間がアイツを刺したってあれだろ?
あれって、純華の父親だったのか!」
「あ、……うん」
紘希が、裁判でねつ造された事実ではなく、真実を知っているのに驚いた。
もっとも、これも本当の真実ではないのだが。
「……って、驚いてみせたけど、嘘」
「へ?」
私は深刻な告白をしたというのに、彼がふざけるように舌を出してみせる。
おかげで、変な声が出た。
「実は、知ってた。
正確には薄々気づいていた?」
気づいていたって、入社して六年、今まで誰からも指摘されなかった。
正俊だって調べて知ったと言っていたくらいだ。
「あの件で会長……あの当時は社長だったけど、カンカンだったんだ」
「……そう」
そうだよね、自分の息子が刺されて殺されそうになったら怒るのは当たり前だよね。
会長はきっと、その犯人の娘と可愛い孫息子との結婚なんて反対だろう。
「違う違う!」
私がへこんでいるのに気づき、慌てて紘希が否定してくる。
「それってあれだろ?
アイツが取引先の人間に無理難題ばっかり押しつけて、追い詰められて狂った取引先の人間がアイツを刺したってあれだろ?
あれって、純華の父親だったのか!」
「あ、……うん」
紘希が、裁判でねつ造された事実ではなく、真実を知っているのに驚いた。
もっとも、これも本当の真実ではないのだが。
「……って、驚いてみせたけど、嘘」
「へ?」
私は深刻な告白をしたというのに、彼がふざけるように舌を出してみせる。
おかげで、変な声が出た。
「実は、知ってた。
正確には薄々気づいていた?」
気づいていたって、入社して六年、今まで誰からも指摘されなかった。
正俊だって調べて知ったと言っていたくらいだ。
「あの件で会長……あの当時は社長だったけど、カンカンだったんだ」
「……そう」
そうだよね、自分の息子が刺されて殺されそうになったら怒るのは当たり前だよね。
会長はきっと、その犯人の娘と可愛い孫息子との結婚なんて反対だろう。
「違う違う!」
私がへこんでいるのに気づき、慌てて紘希が否定してくる。