結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
「そんなわけで。
俺の親類は大方、純華の父親に同情的だし、俺もそうだ。
だから、気にしなくていい」

優しく微笑み、安心させるように彼は私の頭をぽんぽんしてきた。

「それに、純華が犯罪者の娘だから、俺には会社を継がせられないっていうのなら、継がなくていい」

なんでもないように紘希が言う。
でも。

「……それが嫌だから、別れようと思ったんだよ」

「純華?」

私が怒っている理由がわからないのか、紘希は怪訝そうだ。

「紘希はきっと、会社より私を取るってわかってた。
でも、私のせいで今までの紘希の努力を無駄にさせるのが嫌なの。
私は紘希の重荷になりたくない。
だから、やっぱり別れよう?」

紘希の家族は気にしなくても、世間はあの社長の妻は犯罪者の娘だと後ろ指を指すだろう。
それで、仕事だって上手くいかなくなるかもしれない。
そんなの、私が耐えられない。

「あー……」

紘希は長く発したまま、天井を仰いでいる。
しばらくしてゆっくりと、私に視線を戻した。

「ごめん、なんか間違えた」

彼の腕がそっと、私を包み込む。

「俺は絶対に社長になるし、絶対に純華を守る。
純華を犯罪者の娘だって詰るヤツがいたら、俺が叩きのめす。
だから、安心していい」

「……約束、だからね」

「ああ」

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