結婚直後にとある理由で離婚を申し出ましたが、 別れてくれないどころか次期社長の同期に執着されて愛されています
なにが〝普通よりちょっとだけ裕福な家庭〟だよ。
完全に裕福な家庭じゃないか。

ご両親はとても優しい方で、私を気に入ってくださった。
四つ下の妹さんからはお兄ちゃんを取った女と敵認定されてしまったが、仕方ない。

両家の顔合わせの日、紘希はすでに籍は入れたとみんなに告げた。
これですべてがオープンになり、今日、私たちは結婚式を迎える。



「純華ー。
じゃあ俺は、行ってくるな」

紘希に声をかけられ、目を開ける。

「……いってらっしゃい」

まだ寝ぼけている私に、彼は口付けを落とした。

「いってきます。
純華もそろそろ起きろよ?
イブキをよろしく」

「……うん」

出ていく彼をひらひらと手を振って見送り、ドアが閉まって大きく背伸びをした。

「さーてと。
とりあえずイブキの散歩に行きますかね!」

とにかく今日は、忙しいのだ。

イブキの散歩を終わらせ、軽くシャワーを浴びる。

「作んないでいいって言ったのに」

テーブルの上には、あとは温めるだけでいいように朝食が準備してあって、笑ってしまう。
自分の分はいらないんだし、いいって言ったのにこれだ。
相変わらず紘希は、私のお世話をしたがる。

朝食のあとはコーヒーを飲んで少しまったりし、持ち物の最終チェックをした。
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