御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい

 あ、まずい。いつもの台詞を言ってしまった。

 お母様はキラキラした目でこちらを見て、にっこり頷いてくれた。隣の誰かさんがお母様を睨んでる。

 「英嗣。お前の父は私のキャリアを守ってくれたけど、愛は守ってくれなかった。お前はどちらも守りなさいよ。いいわね」

 すごいひと言を言い放ち、立ち上がるとウインクしてお会計をして帰ってしまった。

 「す、すごいお母様ですね……」

 「ああ、そうだな。お前の仕事への気持ちはなんとなくわかってはいたが、出来るだけ側に置いておきたかった、それなのに……あんなにお前は」

 「……だって絶対楽しそうですもん、あんな企画」

 「お前は俺のこと……」

 彼はふてくされたように立ち上がると、店を出た。
 酔ってる?
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