御曹司は部下の彼女に仕事も愛も教えたい
「あ、あの。怒ってるの?」
ひとり先に出ていく彼を走って追いかけると急に立ち止まった。振り向くと腕を引いて通りを曲がり、暗がりで抱きしめられた。
「あっ……」
「お前は人の気も知らないで……」
私が顔を上げて暗がりの彼の顔を見た。目だけが光っていて怖い。
「お前を縛るつもりはない。ただ、心配なんだ。お前はまだ若い。また橋本みたいなのに引っかかるんじゃないかと思って……」
「だから、反対したの?」
「……別に」
「大丈夫ですよーなんなんですか?私だって心配ですよ。モテモテの本部長をひとりにしたら、本社秘書の小出さんに食べられてしまいそうだし……」