初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
ざらざらとしている彼の舌は、腹を空かせた獣のように荒々しい。
息をする暇もない。新鮮な空気を求めようとすれば、艶めかしい声が零れる。自身から発せられる声とは思えないほど、艶やかであり淫らな声だ。
これが彼の言っていた深い口づけなのだろう。少しずつ呼吸が苦しくなり、頭の中も霞がかかったようにぼんやりと蕩け始める。
他人と舐め合うだけの行為なのに、身体の芯から熱が生まれ始める。それは徐々に身体中へ広がっていき、官能を高める。
鼻で息をすればいいとは言われたが、それすらままならないほど激しく絡めてくる。
唾液を飲み干すことすらできず、口の端から赤子のようにたらりとそれが流れ出る。それすら、彼はぺろりと舐め上げた。
それが終わりの合図だった。
「……すまない……。がっつきすぎた。大丈夫か?」
激しく肩を上下させているオネルヴァは、呼吸が苦しくてまともに返事もできず、首を縦に振ってそれに応える。
「そうか……。水でも飲むか?」
先ほどまで、あれほど苦しそうにしていたイグナーツが、今ではケロっとした表情を浮かべている。オネルヴァと少しでも離れただけで、自我を失いそうになっていたはずなのに。
「旦那様。お体のほうは、大丈夫なのでしょうか? その……魔力は?」
「あぁ。オネルヴァのおかげで助かった。今ではだいぶ落ち着いている。だが、君のほうが苦しそうな表情をしている」
イグナーツは、「待っていなさい」と声をかけると、寝台から降りてグラスに水を注いだ。
息をする暇もない。新鮮な空気を求めようとすれば、艶めかしい声が零れる。自身から発せられる声とは思えないほど、艶やかであり淫らな声だ。
これが彼の言っていた深い口づけなのだろう。少しずつ呼吸が苦しくなり、頭の中も霞がかかったようにぼんやりと蕩け始める。
他人と舐め合うだけの行為なのに、身体の芯から熱が生まれ始める。それは徐々に身体中へ広がっていき、官能を高める。
鼻で息をすればいいとは言われたが、それすらままならないほど激しく絡めてくる。
唾液を飲み干すことすらできず、口の端から赤子のようにたらりとそれが流れ出る。それすら、彼はぺろりと舐め上げた。
それが終わりの合図だった。
「……すまない……。がっつきすぎた。大丈夫か?」
激しく肩を上下させているオネルヴァは、呼吸が苦しくてまともに返事もできず、首を縦に振ってそれに応える。
「そうか……。水でも飲むか?」
先ほどまで、あれほど苦しそうにしていたイグナーツが、今ではケロっとした表情を浮かべている。オネルヴァと少しでも離れただけで、自我を失いそうになっていたはずなのに。
「旦那様。お体のほうは、大丈夫なのでしょうか? その……魔力は?」
「あぁ。オネルヴァのおかげで助かった。今ではだいぶ落ち着いている。だが、君のほうが苦しそうな表情をしている」
イグナーツは、「待っていなさい」と声をかけると、寝台から降りてグラスに水を注いだ。