初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
「閣下、そういう顔をしないでくださいよ。私は、陛下のお言葉を伝えるだけなのですから」
「お前が陛下に呼び出されたのは、そういうことなのか」
「はい」
まるで伝書鳩のような扱いであっても、ミラーンは気にならないらしい。むしろ、この状況を楽しんでいる。
「だって陛下が、閣下は何を言っても無反応でつまらないとおっしゃっていて……。私の前では、これだけ惚気ていらっしゃるのに?」
「惚気てはいない」
「あ、そうですね。無自覚に幸せな空気を醸し出しているだけですよね。いやぁ、本当、駄々漏れですから」
「そんなことは、どうでもいい。で、陛下はなんと言っていたんだ?」
「あ、そうでした。そうでした」
左手のひらを、右手で作ったこぶしでポンと叩く仕草すらわざとらしい。
「閣下を今回のシフトから外すように、と。おかしいですよね。私が閣下にお渡ししたシフト表には、閣下のお名前はなかったはずなのに。ということで、閣下の代わりに私の名前に変更をしておきましたので」
「ちっ」
イグナーツは、夜の部のパーティーのシフトにさらっと責任者として自分の名を書き込んでいた。
それは、昼の部にオネルヴァとエルシーを連れて出席し、夜の部には仕事で参加しようと考えていたためだ。夜の部のパーティー出席ほど、煩わしいものはない。
「そういうことですので。夜の部には奥様と共に参加するように、とのことです」
ミラーンの言葉で、イグナーツは眉間に皺を寄せた。
「お前が陛下に呼び出されたのは、そういうことなのか」
「はい」
まるで伝書鳩のような扱いであっても、ミラーンは気にならないらしい。むしろ、この状況を楽しんでいる。
「だって陛下が、閣下は何を言っても無反応でつまらないとおっしゃっていて……。私の前では、これだけ惚気ていらっしゃるのに?」
「惚気てはいない」
「あ、そうですね。無自覚に幸せな空気を醸し出しているだけですよね。いやぁ、本当、駄々漏れですから」
「そんなことは、どうでもいい。で、陛下はなんと言っていたんだ?」
「あ、そうでした。そうでした」
左手のひらを、右手で作ったこぶしでポンと叩く仕草すらわざとらしい。
「閣下を今回のシフトから外すように、と。おかしいですよね。私が閣下にお渡ししたシフト表には、閣下のお名前はなかったはずなのに。ということで、閣下の代わりに私の名前に変更をしておきましたので」
「ちっ」
イグナーツは、夜の部のパーティーのシフトにさらっと責任者として自分の名を書き込んでいた。
それは、昼の部にオネルヴァとエルシーを連れて出席し、夜の部には仕事で参加しようと考えていたためだ。夜の部のパーティー出席ほど、煩わしいものはない。
「そういうことですので。夜の部には奥様と共に参加するように、とのことです」
ミラーンの言葉で、イグナーツは眉間に皺を寄せた。