初心な人質妻は愛に不器用なおっさん閣下に溺愛される、ときどき娘
収穫の月に入ると、地方に広がる田畑は黄金に染まっていく。朝日を浴びる稲穂はキラキラと金色に輝き、まるで金塊のようであるとも言われている。
この収穫の月に行われるのがゼセール王国第一王女アーシュラの誕生日パーティーであった。しかも、今年は十六回目の誕生日とのことで、例年よりも盛大に開かれる。
というのも、このゼセール王国では十六歳から成人として扱われるからだ。アーシュラの十六回目の誕生パーティーが、そのまま彼女の社交界デビューとなる。それが、ここの通例でもあった。
オネルヴァは馬車の向かい側に座るイグナーツに視線を向けた。彼はむっつりとした表情で腕を組んでいる。式典用の真っ白い軍服に身を包む姿を見たのは、初めてかもしれない。
隣に座るエルシーは朝からそわそわとしていた。聞けば、彼女もこういった大きなパーティーに参加するのは初めてとのことだった。
昨年までのパーティーではイグナーツは仕事で参加していたため、エルシーはお留守番だったと不満そうに言っていた。
「どうかしたのか?」
オネルヴァの視線に気がついたイグナーツは、柔らかな笑みを浮かべる。年齢を感じさせないその笑顔に、オネルヴァの胸も高鳴った。
彼との夫婦生活は、妻としては求められていないが、魔力の無効化役として隣にいることを許されている。だから、たまに治療行為としての口づけを交わし、魔力無効化のために共に寝るようになった。
この収穫の月に行われるのがゼセール王国第一王女アーシュラの誕生日パーティーであった。しかも、今年は十六回目の誕生日とのことで、例年よりも盛大に開かれる。
というのも、このゼセール王国では十六歳から成人として扱われるからだ。アーシュラの十六回目の誕生パーティーが、そのまま彼女の社交界デビューとなる。それが、ここの通例でもあった。
オネルヴァは馬車の向かい側に座るイグナーツに視線を向けた。彼はむっつりとした表情で腕を組んでいる。式典用の真っ白い軍服に身を包む姿を見たのは、初めてかもしれない。
隣に座るエルシーは朝からそわそわとしていた。聞けば、彼女もこういった大きなパーティーに参加するのは初めてとのことだった。
昨年までのパーティーではイグナーツは仕事で参加していたため、エルシーはお留守番だったと不満そうに言っていた。
「どうかしたのか?」
オネルヴァの視線に気がついたイグナーツは、柔らかな笑みを浮かべる。年齢を感じさせないその笑顔に、オネルヴァの胸も高鳴った。
彼との夫婦生活は、妻としては求められていないが、魔力の無効化役として隣にいることを許されている。だから、たまに治療行為としての口づけを交わし、魔力無効化のために共に寝るようになった。